ダニエル・スターン死す

 発達心理学者ダニエル・スターンが亡くなった。享年78才。The New York Times誌の死亡記事はこちら
 僕は、彼の著作にはいつも関心を寄せてきた。それは彼の著作には常に、乳幼児のこころを理解する視点の確かさと、人間の発達や変化の本質をつかみ、自らの言葉でそれを表現しようとする真摯な努力が満ちあふれていたからだ。
 2008年に横浜で行われた世界乳幼児精神保健学会で彼の姿を見たが、温厚で紳士的で、そして異なる意見に対する寛容さと率直さのバランスがとれた成熟した人、という印象だった。
 近年もなお、思考を喚起するすぐれた著作を著していただけに、今回の喪失はあまりに大きい。もっと書いてほしかった。残念だ。
 スターン関連の過去のエントリ:Forms of vitality 解釈を越えて

母親になるということ: 新しい「私」の誕生
母親になるということ: 新しい「私」の誕生ダニエル・N・スターン ナディア・B-スターン 北村 婦美

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