土門拳『写真随筆』より
土門拳の『写真随筆』(1979,ダヴィッド社)の一節によい言葉があった。引いておく。
・・・その結論が、対象に淫してはならないの一言に尽きるのである。・・・いい古されたことだが、対象に対してきびしい主体性を確立しなければダメである。・・・主体性とは、人間としての、おのれみずからのまなこで、見きわめずにはいられないものをもっているおのれみずからであるということである。それは本質的に悟性的な立場であって、好きだから撮る、撮りたいから撮るといった感性的、恣意的な立場とは異質である。(p.252)
「鬼」と呼ばれた土門らしい厳しい発言だが、本質を衝いた言葉だ。玩味したい。
写真随筆 | |
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