2008-01-01から1年間の記事一覧
ということで県下で一番の書店に行って、本を買いこんできた。というより、「買いこんできてしまった」というのが正しい表現だろう。書店にいって本を手にとりはじめたら、気分が高揚し、すぐにはいらない本までいろいろと買ってしまって、当初考えていたよ…
今日は大掃除。「今年の汚れ、今年のうちに」とばかり、家族総出で床から窓から鴨居から全部まとめて家中ぴかぴかだ。ああ、気持ちがいい。 その後は、もう不要になった本の処分にうつる。私は活字中毒なので、本を処分しないで放っておくと家の中にどんどん…
「ニコマコス倫理学」を終えて、鈴木大拙著『日本的霊性』へ。昭和19年12月、著者74才のときに出版された一冊だ。 まず、なぜ「日本的霊性」を選んだのか、書いておく。 全ての心理療法は、何らかの価値を志向した営為である。だから通常意識されることは…
アリストテレス著『ニコマコス倫理学』を読み終わった。この本に関するエントリーは、これが最後の予定。そこで今一度この本の中心の主張だけをまとめ、心理療法に照らして考えられることを書いておく。 この本の主張をまとめると、幸福(エウダイモニア)こ…
今日はきわめてプラクティカルな話。 最近、患者、家族からの暴力(暴行、暴言など)が医療現場では問題になっている。あまり良い言葉ではないが、いわゆる「モンスター・ペイシェント」の問題だ。これは医師だけでなく、看護師、事務職員など医療現場に携わ…
一昨日から発作的にピアノの練習を始めた。といっても深夜に15分ほどだけ。ジャズが好きなので、いつの日かバド・パウエルのように『クレオパトラの夢』を弾きたい!などと夢を見て、教本を『初心者から学べる ジャズポピュラーピアノ教室』に選定。最初の…
精神分析は、自分の中の見たくないものを見ることを通じて、より全体的に生きることを志向した営為と考えられる。全体的に生きるということは、よくあるwell-beingことと同義とみなしてよいだろう。ではそうした生き方がなぜよいとみなしうるのか、というこ…
精神分析的心理療法フォーラム参加のため、早朝に起床し一路神戸へ。 混んでいる電車で四人がけの座席の一席をなんとか確保し、電子辞書を片手にBritton著『Sex, Death, and the Superego: Experiences in Psychoanalysis』を読み進める。大変面白く集中して…
今日は職場の忘年会。こういう年中行事は悪くない。とにかく元気な若い人たちのパワーに圧倒されて帰ってきた。 遅い帰宅のあと、明日の研究会のために予習を大急ぎで。 研究会というのは、精神分析的心理療法フォーラムのこと。はじめて参加するので、どう…
「老いと死」レクチャー終了。今回はうまくいった。聴衆との情緒的な交流に心を開きながら、レクチャーの内容をその情緒の上に乗せていけたので、こちらものって話ができたし、終わってからも活発な意見のやりとりができた。やはり患者際で日々もまれている…
この間、読んだ本を手短に。 ミッシェル・ルノー『緩和ケア ー精神分析になにができるかー』。ラカン派の分析家が緩和ケアについて講演した内容を採録した本。本文の記述から推測される聴衆は、一般の医師や緩和ケアに関わる医療職の人たちのようだ。個人的…
「老いと死」レクチャーの準備をさらに進める。 エリクソン著『ライフサイクル、その完結』。The Life Cycle Completed-A Review。1982年刊。村瀬孝雄、近藤邦夫の両氏による邦訳は1989年にみすず書房から刊行された。その後、妻ジョーンによって補われた3…
というわけで、シモーヌ・ド・ボーヴォワール著『老い』を読んだ。原著は1970年刊。朝吹三吉による邦訳版は1972年刊。 数多くの文献を渉猟してまとめあげた力作ではあるが、あまりにも文献の引用が多すぎ。集めた資料を全部放り込んだかのような内容で、『老…
ここ数日、ばたばたとして更新できなかった。 まだばたばた中だが、読書録だけは書いておきたい。 まずE.H.エリクソン著『ライフサイクル、その完結』と『老年期―生き生きしたかかわりあい』を読んだ。特に前者はその濃密な思考に感激した。重要な本なので、…
「老いと死」レクチャーの準備を始める。 まずはRachael Davenhill編『Looking into Later Life: A Psychoanalytic Approach to Depression and Dementia in Old Age』から。これはカルナックブックスが刊行しているタビストック・クリニックシリーズの老年…
藤山直樹編『ナルシシズムの精神分析』を読んだ。2008年10月刊。 狩野力八郎先生の還暦を記念して刊行された論文集で、狩野先生に指導をお受けになった方々の筆になる論文が収められた一冊である。一つ一つの論文は、堅苦しくなく自由な体裁で書かれている。…
今日は寒い一日。 狩野力八郎先生の還暦記念論文集『ナルシシズムの精神分析』(藤山直樹編)を本日は読んだ。ざっくりレビューを書こうと思って準備を進めたが、さっきから睡魔が襲ってきたので、完成させることができません。ああ、ねむい。アップは明日の…
「現代の家族」レクチャー終了。感想文は好意的なものがほとんどだった。しかし話している側からすれば、今回は手応えがなかった。残念。終わってから一人反省会。 話の中身をまとめておく。 われわれが自分たちの家族のことを考え、何らかの価値判断を下す…
昨日「突撃〜!」と勇ましく読み始めた上野千鶴子氏の『近代家族の成立と終焉』。力作で面白いのだが、気がつけばもうレクチャーが明後日。もう時間切れなので、次の機会に、とあいなった。今回は縁がなかった、ということで書棚にしまう。さようなら〜。 と…
今日は事例検討会&飲み会。飲み会で知り合いの精神科医とカニの石焼きをほおばりながら、老荘思想と仏教の「空」について話し合った。大いに刺激を受けた。いまの連続レクチャーが終わったら勉強しよう。読書は、山田昌弘『新平等社会―「希望格差」を超えて…
今日は山田昌弘著『迷走する家族―戦後家族モデルの形成と解体』(2005年刊)をつっかえつっかえ読む。なぜつっかえつっかえ読んだかというと、立ち止まって考えるところが多いからだ。良書。 ところで昨日、ABT(aho-based therapy)に関するあほな話を書…
それはともかく、坂元薫先生のベタなギャグについての続き。坂元先生の講演の記録は以下のリンクを。 坂元薫先生の講演のベタさに感激 - Gabbardの演習林−心理療法・精神医療の雑記帳 今日は、治療者がベタなことをいうことは、治療的に有効だということにつ…
今日は法事。 我が家は浄土真宗で、僧侶に導かれるままに親族一同で正信念仏偈を誦経する。今までしっかり読んだことがなかったので、読経の合間にざっと内容に目を通したが、阿弥陀如来の位置づけや浄土の説明、中国浄土の高僧や、また源信や法然に関する説…
引き続き学会。 ランチョンセミナー。東京女子医科大学、坂元薫先生の『気分障害の臨床をめぐる最新の動向』に出席。気分障害に関する最新の知見が、わかりやすくかみ砕かれて語られ、勉強になった。 しかし坂元先生の講演は数年ぶりに拝聴したが、数年前に…
本日は幕張で開催の総合病院精神医学会へ。 シンポジウム「総合病院精神医療の倫理綱領作成に向けて」は大変勉強になった。とりわけ慶応義塾大学文学部の奈良雅俊先生のご発表に大いに啓発された。ランチョンセミナーは「ADHDの病態と治療」。齋藤卓弥先…
今日は一日ずっと研修で会場に缶詰。ちかれたびー。 落合恵美子『21世紀家族へ』。読み始めは面白かったのだが、後半に入ってどうも納得できない点が増えてきて、不満が残った一冊だった。いわゆる近代家族を相対化し「女は家庭に」といった良妻賢母神話から…
「家族」をテーマにした一般向けの書籍にも目を通してみる。 香山リカ著『親子という病』、2008年9月初版。この著者の本は初見。ところどころ才気を感じるが、全体としては厳しい出来栄えといわざるをえない。情報と思考の断片がパッチワークのように継ぎ合…
本日は、江藤淳著『成熟と喪失―“母”の崩壊』を読んだ。前読んだときには、江藤がエリクソンにこれほどまでに依拠して論じていたとは気づかなかった。エリクソンに依拠することでこの評論に強靱な理論的支柱が与えられたが、同時に当時の精神分析が有していた…
今日も小此木啓吾、北山修編『阿闍世コンプレックス』を引き続き。この本はじっくり取り組んだ。充実した内容の一冊であったが、私にとってこの本の白眉は、第6章「阿闍世コンプレックスと古澤の人間的背景」にあった。古澤に師事した木田惠子氏の『問題は…
今日はショッピングセンターで買い物。その中央広場で「デンタルフェアー」が開催されていて、虫歯チェックや歯磨き指導などが行われていた。その中に、拡大カメラでテレビ画面に口の中を歯を映しだすコーナーがあって、おじさんが自分の口の中をテレビで映…