2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

Bernard Lo著『Resolving Ethical Dilemmas-A Guide for Clinicians』、第18章「DNR指示」についての要約

さらにDNRに関わる基本的知識をまとめる。 今回は、Bernard Lo著『Resolving Ethical Dilemmas-A Guide for Clinicians』の第18章「Do Not Resuscitate Orders」をまとめる。Resolving Ethical Dilemmas: A Guide For CliniciansBernard, M.D. Loおすすめ…

「遷延性植物状態」に対する医療行為について、のまとめ

DNRについて考える必要が出てきた。まず基本的な知識の整理のために、グレゴリー・E・ペンス『医療倫理』(みすず書房)、第2章「昏睡」をまとめておく。 この『医療倫理』の原題は、Classic Cases in Medical Ethics。医療倫理の概説書というよりも、あくま…

自己決定について

必要があって、「自己決定」について少しまとめておきたい。 関連するサイト Autonomy - Wikipedia Personal Autonomy (Stanford Encyclopedia of Philosophy) Autonomy in Moral and Political Philosophy (Stanford Encyclopedia of Philosophy) AUTONOMY …

Stephen A. Mitchell and Margaret J. Black著『Freud and Beyond』

ミッチェルの『関係精神分析の視座』が存外に面白かったので、彼の次の著書も手に取ってみた。Freud and Beyond: A History of Modern Psychoanalytic ThoughtStephen A. MitchellBasic Books 1996-08-08売り上げランキング : 44353Amazonで詳しく見る by G-…

北中淳子著「鬱のジェンダー」

臨床精神医学2008年9月号の特集「うつ病周辺群のアナトミー」にざっと目を通した。興味深く読んだが、中でも医療人類学者である北中淳子氏の「鬱のジェンダー」(臨床精神医学37(9):1145-1150,2008)という論文が読ませる。 過去発表された北中氏の二論文の要…

S.A.ミッチェル著『関係精神分析の視座-分析過程における希望と怖れ』

原書は1993年に米国で刊行されている。原題はHope and Dread in Psychoanalysis。ミッチェルの翻訳を過去2冊刊行している横井公一氏と、辻河真登氏の監訳によって、2008年5月に邦訳が刊行された一冊である。関係精神分析の視座―分析過程における希望と怖れS.…

宮岡等著「口腔内セネストパチー」

必要があって、セネストパチーについてまとめておく。 宮岡等氏の「口腔内セネストパチー」(精神科治療学12(4);347-355,1997)という論文が簡潔でよくまとまっている。その中の一部を抜き出して要約する。 1 概念 身体の様々な部位の異常感を奇妙な表現で訴…