2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

プラトンの芸術観

プラトンの芸術観を確認したくて、『イオン』を読む。プラトン全集10(1975, 岩波書店)から、森進一訳で。森進一は演歌を唄うだけでなくて、こういう学術的な仕事もしているのか。さすがだ。 さて『イオン』は、吟誦詩人イオンと、ソクラテスの対話篇であ…

タビストックにおける、ボウルビィの仕事のはじまり

Jeremy Holmesによるボウルビィの解説本『John Bowlby and Attachment Theory (Makers of Modern Psychotherapy)』に、彼がタビストックで仕事をはじめた当時のことが書いてある(pp.26-29)。以下に、短くまとめておく。 第二次大戦後、Bowlbyはタビストック…

ボウルビィによる、クライン派への批判

ジョン・ボウルビィは1957年、英国分析協会で、「The Nature of the Child's Tie to His Mother」を発表した。動物行動学的視点を導入して乳児の行動について検討した論文だったが、この論文は強烈な批判にさらされた。とくにクライニアンからの批判は、かな…