公園、ビッグマック、中井久夫

 休日。近くの公園に散歩する。木々の色づきや池の面の移ろいに心が癒される。自然のもつ治癒力をどう臨床に位置づけるか。
 昼食はマクドナルド。調理の希望を聞いてもらえると最近知ったので、ビッグマックセットを頼みタルタルソースを抜いてもらう。しかし、ハンバーグとピクルスとレタスを抜いてくれといっても聞いてくれるのだろうか。
 午後は依頼原稿に手を入れ、その後『世に棲む患者』。中井は「常識(コモン・センス)」と「社会通念」を区別すべきである、という。また分裂病圏の患者にとっては、「安定して世に棲みうるライフ・スタイルの獲得が第一義的に重要であ」り(p16中井久夫著作集第5巻)、「支持組織も、まず、そのようなライフ・スタイルの獲得と保持を保証するものであるのが望ましい」とする。患者に治療者が生き方を押しつけるのでなく、患者が探索行動の結果、自ら獲得するライフ・スタイルを支持する、それでよいのだとする。
 異なる生き方を尊重し、異なる価値を尊重すること。それが大切だ。それができないのは、自分が抱く価値への不安があるときだ。他人を従わせるのでなく、自分の価値を洗練させること。そうしない限り、自己中心主義か相対主義に陥ってしまう。
 「寛容」について考えること。「友情」についても。
 夜、マックウィリアムズ『パーソナリティ障害の診断と治療』で「ヒステリー性パーソナリティ」の確認。