ポイントカード地獄

 今日は昼にL.L.Beanへ寄ってオックスフォード・シャツを3枚購入。そこですすめられるがままに、ポイントカードを作ることになったが、カードケースがポイントカードでパンパンになってきてしまった。ドラッグストア、スーパーのライフ、ビックカメラミドリ電化ミスタードーナツ・・・。今見たら、ジュースバーの「がろぴーぬ」、なんていつつくったのかわからない謎のカードもある。
 ほとんど使っていないカードでも何ポイントかたまっているはずなので捨てるに捨てられず、そのうちどんどんたまっていってしまう。それがいやだから次第にカードをもっている店しか行かなくなってしまう。こんなふうに店に囲い込まれてしまうのはどうにも癪なのだが、自己防衛のためにはやむをえない選択だ。しかし英国の囲い込み運動は農業革命を生んだが、ポイントカードによる消費者囲い込み運動は果たして何かを生み出すのだろうか。
 午後には、小倉清著作集から『思春期の臨床』。思春期臨床でのいわば当たり前のことを、平明に説明していく。こういう当たり前のことを、ベテランが確信をもって述べるということが意味があるのだろう。
 そして夕刻5時から、いつもの理容店で散髪。ご主人は、「今回の不景気は厳しいですよ。まだ理容はいいけれど、美容院の中には夜逃げしているところもあるという話を聞きました。ああいう店は派手にやらないといけないから、だめなときは一気にだめになるんですよ」などと不安げにおっしゃる。理髪の業界は景気に左右されないと思っていただけに、今回の金融危機の深刻さにあらためて驚く。
 顔剃りの最中、店内でPPMの『Puff, the Magic Dragon』が流れた。懐かしくもやさしいメロディに、心理的に困難な時期にこの曲に支えられ乗り切っていったYの姿がふと浮かぶ。
 
 夜、村上春樹海辺のカフカ』を読み進める。村上春樹は、作家になる前からずっと、人とつながろうとしてきたのだと、そしてそれが彼の創造の原動力なのだと、ふと感じた。この気づきについては、またあらためて詳しく書くことにしたい。