プライバシーとまなざし
阪本俊生著『プライバシーのドラマトゥルギー―フィクション・秘密・個人の神話』。世界思想社。1999年刊。著者は社会学者。プライバシー侵害における「まなざし」について、多面的に論じた著作。ここでは二つだけ引用。
まずヴェレッキーの主張から。
プライバシー侵害は、見る側が対象となる個人を、非道徳的な意識をもって見るときに生まれ、そうでないときには生まれない。要するに、プライバシー侵害は、見る側の人間の意識のモラリティの問題だ・・・(p38)
もう一つ、ゴフマンの事例。
舞台上で裸体を披露するストリップ嬢が、支度部屋を見られることを恥ずかしがる・・・(p46)
これは「見せる」と「見られる」の違いから生じているのだろう。「見る」「見せる」「見られる」の心理的体験の違いについて、どこかで整理して考えておいたほうがいいかもしれない。
プライバシーのドラマトゥルギー―フィクション・秘密・個人の神話 | |
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