あまりにもくだらない旅行記

 『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』を読んだ。村上春樹吉本由美都築響一の三人が「ちょっと変な場所」を選び、そこを訪れて書いた旅行記集。2004年、文藝春秋
 三人が訪問した場所は、名古屋、熱海、ハワイ、江ノ島、サハリン、そして清里。非常に絶妙な選択だ。これらの土地を訪問して三人が書き上げた脱力系エッセイに加え、各場所についての鼎談が載せられているが、この鼎談が実にくだらない。たとえば清里についての鼎談の一節。

村上 僕らの泊まったペンションではパン焼き体験というのがあったけど、パン焼きったって、ただ形つくるだけだもんなあ(笑)。
吉本 結局は粘土遊びと同じ。
村上 僕ははじめコブラをつくろうと思ったんだけど、コブラの首がうまく持ち上がらなくてウンコみたいになっちゃって、しょうがないから、エラ・フィッツジェラルドの唇にした(笑)。
都築 いるよね。こういうのをやるとき、必ず一人はウンコをつくる(笑)。
村上 それから「死んだ猫」というのをつくった(笑)。(p369)

 あほすぎる(笑)。

東京するめクラブ 地球のはぐれ方 (文春文庫)
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文藝春秋 2008-05-09
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