クラインVS美輪明宏

 今日は子どもたちを保育園へ送迎中、「どっちが強い」という話題になった。たとえば「ヒグマとホッキョクグマはどっちが強い」、「マリオとルイージはどっちが強い」といったテーマについておしゃべりに興じた。そんな中、「和式トイレと洋式トイレ、どっちが強い」という話題になった。すると、なぜか子どもたちは「和式トイレ」で一致。どうしてと訊ねると、「だって、強そうだし」という。「どうして強そうに思う?」と訊ねると、なんでだろう、といってはっきりした答えが出てこない。
 そこで出勤後に医局で研修医のY先生に訊ねてみた。
 Y先生は「そりゃ、和式でしょ、和式」という。理由を聞くと、「和式はいさぎよい感じがする。洋式は軟弱じゃないっすか」という。「だいたい、椅子に腰掛けて用を足すという発想が甘いっすよ。出し方がゆるくなります。しゃがんで、ぐっときばってこそ、すっきり出せるでしょ。だから和式の勝ち」という。
 でも洋式にいいとこがあるだろうと言うと、Y君「ないですね」ときっぱり。
 「ほら、洋式便所にフタがあるでしょ、あれ余計ですよ。ああいう余計なものをつけるから、資源が枯渇するんです。西洋的思考の悪いところがでてますね。それに比べて和式は不要なものは何もない。何も足さない、何も引かない。そこがいいんです。エコだし。車もハイブリッドでしょ。だから、もう和式の時代ですよ」と和式トイレのセールスマンであるかのように自信を持って断言する。
 納得がいかない気もしたが、議論するほどの話題でもないので、それで終わりにした。しかしどうも気にかかるので、ネットで調べてみた。
 するとそのものずばり『どっちの勝ちか?―洋式トイレと和式トイレ』という本を発見。いやあ、あるところにはあるもんだ。
 でもこの「似たもの対決ディベート」って宴会で盛り上がるかもしれない。でも「クレペリンVSフロイト」じゃ面白くないな。異種格闘技でないとだめだ。
 こんなのはどうだろう、「クラインVS美輪明宏」、「ビオンVSケムンパス」、「コフートVS瀬戸わんや」、「フランツ・アレキサンダーVSボボ・ブラジル」とか。クラインもさすがに美輪明宏には負けそうな気がする。なぜ、と訊かれると困るが。