江藤淳『成熟と喪失』を読む

 本日は、江藤淳著『成熟と喪失―“母”の崩壊』を読んだ。前読んだときには、江藤がエリクソンにこれほどまでに依拠して論じていたとは気づかなかった。エリクソンに依拠することでこの評論に強靱な理論的支柱が与えられたが、同時に当時の精神分析が有していた父権主義的価値をも無批判に受け継いだことで、江藤淳の生き方が強固な足枷をはめられてしまったと感じる。この傑作評論において選択した彼の立ち位置が、彼の死に方を決定した一つの遠因であった気がしてならない。
 もっと詳しく感想を書きたい本なのだけれど、今日はとても眠い。明日へ持ち越し。