メスメルの桶のカラー写真
有名なメスメルの桶(バケ−)のカラー写真を見つけた。現存する唯一の桶とのことである。せっかくなので、紹介しておく。
写真はこれです。
うわー、すごい迫力だ。
なお、引用元のサイトはこちら。
メスメルは、この桶を使ってどのように治療していたのだろうか。エレンベルガー著、『無意識の発見』から引用する。
容れ物の蓋の縁近くに小孔が開けてあります。・・・この穴の中に外向きに直角に曲げた鉄棒を入れます。・・・(この鉄棒は、患者の身体にあてがうことになる)・・・。鉄棒以外に紐が一本あって、まず”磁気桶”と患者一人を結び、また、その患者と隣の患者を次々に結んで全員に及びます。だから全体として円になります。患者に一番はっきりした効果が現れるのは、メスメルがその患者の近くに来る時です。メスメルは、患者の身体に直接触れずに、自分の手や目のある種の動きだけで、流体を伝導できる、ということです。(上巻pp73-74)
そして患者たちは、桶につながれたひもで結ばれ、鉄棒を身体にあてて、しばらく待つ。すると、患者の何人かに不思議な身体感覚が生じる。そのうち2,3人がクリーズを起こす。その結果、病気から回復していく。
と、まあこんな奇妙な治療であったようだ。
しかし、この装置をつかって「流体」を伝導し、クリーズを起こすとなぜ病気がなおるのか。メスメルのあげる理由は、次のようなものである。
まず人間の身体の中には、流体が存在している。病気とは、この流体の分布が不均等になった状態であり、病気からの回復とは、この流体が平衡状態に復することである。桶をつかってクリーズが生じれば、不均衡状態にあった流体が外へ流れ出し、平衡状態に戻っていく。その結果として、患者は回復していく。
ということらしい。